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2008年08月07日

将棋初心者、名人戦第4局に行く・その3

前夜祭の開催時刻が近づくと、ポツポツと女性がお見えになった。
でも、私の想像していた人数(3割くらい)にはほど遠い。
しかも、お孫さんやお子さんとご一緒、という方々がほとんどで
OLのような方々は皆無である(見逃していたらごめんなさい)。

将棋界は、OLの方々には人気がないのか?
いや、人気があっても前夜祭には興味がないのか?
もしかして、オフィス街のホテルで前夜祭をしたらもっと違うのか?

初心者は、壁際でいろんなことを考える。

どうでもいい分析をしているとようやく会が始まり、
主役のお二人が入場された。

-うわ、ホンモノ。

影武者が出てくるわけでもないので当たり前だが
とかく初心者はささいなことで舞い上がる。
司会者が、前夜祭の諸注意みたいなことを話される。
きっと私みたいに舞い上がる初心者のためだろう、心して聞く。
握手とサインはダメだが、ご本人たちとの写真はご自由に、ということらしい。

写真、撮りたい。できれば一緒にお願いしたい。
しかし1人参加なので、写真のシャッターを誰かに押していただかないと
いけない。

グラスを持って、乾杯の音頭を聞きながら、誰にお願いすれば
適切かを考える。
とりあえず、しばらく動かないで考えよう、と乾杯後またしても
壁際に寄り、会場の皆さんの動きを眺める。

羽生挑戦者に群がる人、森内名人に群がる人、
おいしいそうな食事コーナーに群がる人、いきなり2杯目を注ぐ人、
お久しぶりと挨拶して回る人。

とりあえず、食事コーナーに向かうことに決め、列に並んでいると
給仕係の女性が、来賓者に配る食事を手に入れるべく
お皿を片手に3枚持って並ばれていた。

-そうだ、この方にシャッターをお願いしよう。

で、お願いしてみると、このお皿を届けた後で押してくださるとのこと。

-やった、これで安心して食べられる。

そう思って料理をもぐもぐ食べながら主役のお二人を眺めていたが
両名共に人気で(当たり前だ)人が途切れない。

-これ、もしかすると写真なんて無理かも。

いやいやいや、ここまできたらそれはない。
しかし初心者はタイミングがわからない。
時間とにらめっこしながら、料理をほおばりながら
ひたすらチャンスをうかがう。

そして。
ほんの一瞬、森内名人の前の列が途切れた。
といっても次に話そうとされている方が近づいているのも目に映った。

-申し訳ないけど、ここは初心者だから許してください。

近づこうとされている、どこのどなたかわからない方に
自己満足でしかない詫びを心の中で入れながら
小走りに森内名人に近づき、話しかけた。

「写真、一緒によろしいですか?」

完全に、舞い上がっていた。
舞い上がっている私の方をみて、森内名人は一瞬とまどわれた。
私が突進したせいなのか、このタイミングで入ってくるのと思われたのか
顔がこわばっていたのか、理由は定かではない。

でも、1拍おいて「いいですよ。」と森内名人はおっしゃった。

-やったあ、写真がとれる。

このときになってようやく思い出した、肝心なことに。

-お姉さん、どちらに?

急いで見渡したが、わからない。
あたりまえだ、動いてナンボの給仕係。
チャンスがいきなりやってきたから
お姉さんを確保しておく時間などなかった。

舞い上がった初心者、大ピンチ。

続く。

投稿者 Taniguchi : 2008年08月07日 19:41

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