« 将棋初心者、名人戦第4局に行く・その4 | メイン | 将棋初心者、名人戦第4局に行く・その6 »
2008年09月04日
将棋初心者、名人戦第4局に行く・その5
恥をかきまくった翌日の名人戦初日は、祖母の母校を訪ねていたので
テレビで途中状況を見るだけだったが、翌日は生まれて初めて
「大盤説明会」なるものに出かけた。
対局が行われているホテルの中にある会場の1室で
それは行われていた。
初心者はどんなシステムかよくわからないのでとりあえず受付で聞くと
1日1,000円払えば、終日出入り自由とのこと。
会場内には2台のモニターが置かれ、対局盤面が終始映し出されていた。
また、決められた時間には、現在の対局状況をモニターとは別に
正面に置かれた盤面でプロ棋士の方たちが駒を動かして解説してくれる。
ちなみに、この会場にも入った瞬間たじろいだ。
当然といえば当然だが、圧倒的に年齢の高い男性が多かった。
というか、そういう方がほとんどだった。
時間もまだ早いし、夕方になればお勤め帰りの方もこられるのかも。
そんなことを考えながら、会場の両端に置かれたモニターを眺めていた。
しかし、会場の大きさに対して非常にモニターが小さい。
ホテルの設備の問題もあるから、これは仕方がないとして
ちょっといただけなかったのは解説に使う「大盤」が、
どうみても「中盤」だったことである。
正面の低い壇上におかれた「中盤」は、据え置かれた位置も低く
後ろからだと盤面の下が見えない。
プロ棋士が解説されている最中、盤面をもっと高い位置にしてくれという
要望が会場から出ていたが、結局最後までこのままだった。
「中盤」を支えている台に電話帳でもかましたらいいんじゃないかと
個人的に思っていたが、それを発言するほど初心者は強くない。
夕方になると会場には仕事帰りのサラリーマンや学生、
さらにカップルも登場しなんともいえない熱気があふれだした。
ちびっこたちもお父さんに連れられてきていた。
今回の名人戦は、羽生挑戦者が永世名人になれるかなれないか、
という戦いだった。
だから注目度もものすごく高かったということを、あとになって初心者は知る。
対局は、すこしずつ差がひらきはじめていた、らしい。(初心者には不明)
羽生挑戦者が優勢だった。
森内さんの形勢が悪いということが、周りの状況から初心者なりにわかると
前夜祭の件が、自分の頭の中でぐるぐる回りだす。
私は、大事な対局前に、ケチをつけたのではないか。
そんなことを思う方がおこがましいのかもしれないが
立ち位置と距離の取り方を間違えたという意識が重くのしかかる。
会場の興奮した雰囲気と反比例して、私のテンションはどんどん下がる。
そして、もうあと少しで森内さんが投了するかも、という盤面になったとき
(初心者にはわからないが雰囲気で理解した)
会場内のあちこちから声があがった。
「投了やっ!投了!!」
一瞬、ここは関西だったかと錯覚した。
競馬場で馬が最終コーナーを曲がってきた時の観客席、とは言わないが
かなりの投了コールが会場から聞こえたとき、本当に驚いた。
大盤説明会とは、こういうものなのか?
そして、ますますいたたまれなくなった。
「投了やっ!投了!!」
その声が
「おまえのせいやぞ、おまえのっ!」
と聞こえる。
前夜祭のことがなければ、投了コールに対して
「失礼なっ!やかましいわ、だまらんかい!!」
くらい舌を巻いて返せる根性は、持っていたと思う。
しかし、そんなことをいえる立場ではない。
この私が、言えるわけがない。
そして、森内さんが投了された。
続く。
投稿者 Taniguchi : 2008年09月04日 18:30